
私としては名盤といわれる『IV』を差し置いて、この『Physical Graffiti』のほうが好きだ。
『IV』にはZEPの名曲といわれる曲が3曲も入っている。Black Dog、Rock and Roll、天国への階段(Stairway to Heaven)。
音楽の聴き方は人それぞれ百態百様であり、ZEPにはZEPファンの、RainbowにはRainbowファンの聴き方がある。
私はRainbowファン。
Rainbowファンはどちらかというとお子様系で、ハードロックだけでおなかいっぱいにしたい人々ではないだろうか。
ハンバーグとオムライスとウインナーが好きなのだ。
ZEPファンというのは、もう少し聴き方に幅があるのだろう。
だから、『IV』でも、私のようなRainbowファンが聴くと、上記3曲以外は"捨て曲"に思えてしまうのである。
とはいっても、『IV』の3曲目の「限りなき戦い(The Battle of Evermore)」などは、Sandy Dennyという女性シンガーがゲスト参加していたりする、アコースティックで実に面白い構成の曲なのである。
しかし、お子様的には、「これはロックではない」
おそらくその点、『Physical Graffiti』は、Rainbowファンが聴いても十分ロックしているZEPのアルバムなのだ。
もっとも、この2枚組みのアルバムで、Rainbowファンが許容できるのは1枚目だけだろう。
2枚目は、各曲の冒頭をちょっと聴いては「もういいや」を繰り返し、結局このアルバムは1枚目だけでいい、という印象を持つに違いない。
ZEPの世界は独特の世界。
シャープで直線的なRainbowとは違い、独特の広い暗黒世界がそこにある。
そういえば、この『Physical Graffiti』以外にも、『永遠の詩(狂熱のライヴ)』(The Song Remains the Same)というライブアルバムがある。このライブは映画にもなった。
スタジオで作り上げられる仮想世界とは別に、強烈に、生々しく繰り広げられる現実のZEPの世界だ。
私がこれを聴いたのは、もう30年も前だろうか。
オジサンになってしまった私は、今聴くとどんな印象を持つだろうかと思っていたが、なんのことはない、当時と同じである。
アタマの構造は当時と同じお子様のままらしい。
私にとって救いだったのは、音楽に接し始めたときはフォークソングが初めてで、その後ブリティッシュハードロックに接して強烈にブチのめされたにも関わらず、やはりフォークソングは好きなままだった、というところがある。
そこで完全に嗜好を塗り変えられてしまったわけではなく、他のジャンルを聴ける余地を残していたことが、その後飽きもせず音楽の道を目指した理由になったのだろう。
クラシックを含めて、色々なジャンルに接する幅が残されていた。
が、その話はまたおいおい。
色々と好みはあるが、有名な「天国への階段」を含めた『IV』ではなく、私にとってはZEPのアルバム中最も印象に残ったのがこの『Physical Graffiti』、特に1枚目の「Trampled Under Foot」は強く印象に残った曲だった。
----- Disk 1 -----
Side one
Custard Pie
The Rover
In My Time of Dying
Side two
Houses of the Holy
Trampled Under Foot
Kashmir
----- Disk 2 -----
Side three
In the Light
Bron-Yr-Aur
Down by the Seaside
Ten Years Gone
Side four
Night Flight
The Wanton Song
Boogie with Stu
Black Country Woman
Sick Again










