長い休止期間

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実に2ヶ月もの間、自転車通勤を休止していた。
原因は、第一に右ふくらはぎの筋線維断裂(肉離れ)。約1ヶ月の間、松葉杖の生活だった。
松葉杖から解放された後も、しばらくは自転車に乗れない。右足首の腫れとむくみがなかなかとれず、今もまだ多少違和感がある。
ようやく乗れそうだと思っていたら、この梅雨空だ。
会社まで自転車で行けてしまう贅沢?な自転車通勤ならいざ知らず、八王子から大崎まではスーツなのだ。
一時はレインスーツを使用したが、「雨に濡れますか、それとも汗に濡れますか」という状態だったので、着替えの手間などを考えて断念した。
それでも、仕事場が今より30分近く、かつ始業時間も30分遅い現場であった頃は、合計1時間の余裕のうち、自転車関連の支度に30分を費やして合羽の脱ぎ着とYシャツやTシャツの着替えをしていた。
今はもう無理だ。AM5時15分に起きる生活では、自分にも奥様にも負担がかかり過ぎてしまう。

 
加えて、ここ2ヶ月ほどは激務であった。仕事は怪我人にも容赦が無い。睡眠時間3〜4時間の生活が続き、危なくて自転車に乗れない。気力も無かった。
 
しかし、ともあれ復活した。
久しぶりに、乗り合いバスから解放されて、「自由」を味わえる自転車通勤に戻れた。
前に座るオヤジの整髪料のニオイも嗅がなくて済むし、タバコ臭いヤツや、ウルサイ老人集団や、帰りの深夜バスで酩酊してぐらぐらしているリーマンオヤジに顔をしかめたりしなくて済むのだ。
ああ、なんて自由な気ままな自転車通勤。
いや、なんかネガティブな理由だな、こりゃ。
 
ところで、二ヶ月間もの間、愛車Bianchiは我が家の自転車置き場でひっそりと待ち続けていたのだった。
土曜日、いよいよ自転車通勤を復活させようと、メンテのために引っ張り出してきたら、散々な状態だった。
埃もかぶっていたし、シフトワイヤも少し錆びがきている。
タイヤもエアが抜けているし、ちょっと乗ったら異音がした。
 
しかし、である。
私は、タイヤにエアを入れただけで、あえて次の一週間はこの状態で乗ってみることにした。
自転車にとって、メンテナンスがどれだけ大切なものか、身に沁み込ませるためだ。
 
人によっては「自転車がかわいそうだ」という人もいるだろう。
しかし、私にとって、自転車は友人であると同時に、単なる道具でもある。
私自身は、あまりそこに感情移入は生じない。
車でも工具でも、私には道具である意味合いが強い。
 
だから、実験したくなる。
 
スポーツ自転車は精密機械に例えられることが多いが、私がこれまで素人なりにいじってみた感じでは、精密機械、というより、アナクロニズム的な、ワイヤの引っ張り具合に左右される単純で脆いアナログメカの集積に思える。
少しの大きな段差でどすんと降りようものなら、もうそれだけで調整が狂ってしまうような、そんな脆さを自転車は持っている。
 
まあ、マニアにはそこがまたいいのだろうが、私は毎日使う通勤車がそれでは、ちょっと面倒だと思えてしまう。
が、軽い、高性能、ラクな通勤、ということを考えれば、やはりある程度の高性能なスポーツ車を選びたくなってしまう。
 
毎日使う実用車。
それに必要なメンテナンス。
そして、実用車らしからぬ高性能車。
これが私の求めた通勤車の結果だったのだろう。
 
さて、かわいそうなBianchi君である。
チェーンは乾いたカリカリ音がするし、ブレーキもひきずっているような金属音がする。
目に見えてペダルが重い感じはしないが、どことなくメカニカルロスを感じる。
気のせいかもしれないが、なにかしら「引っかかっているような」感じがする。
 
うーん、思ったほどひどい状態ではないが、乗っていて気分が悪い。
やはり、気分よく道具として使うためには、きちんとしたメンテが不可欠である。
チェーンも錆びが目立つ(写真)
 
何よりも「自由な気分」を味わいたいための自転車通勤だが、それに必要な自転車という道具は、多少なりとも面倒なメンテナンスが必要なわけだ。
次の休みには、大掛かりな手入れをしてピカピカにしてあげよう。

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